DX(デジタルトランスフォーメーション)の第一歩は業務改善から

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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

「DX」とは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」のこと。

どこにも「X」という文字が含まれておりませんが、Transformationの「trans-」を「X」と表しています。

Xの交差する斜めの線が線を超えているように見えるので「向こう側へ」という意味があるようです。

トランスフォーメーションは直訳すると「デジタルの変革」という意味になりますが、経済産業省が定めるDXの定義によると

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

とされています。

この内容からはIT技術によって業務を変革すると同時に、ビジネスモデルそのものを変革させ付加価値を作り出すことが求められていると読み取れます。

安直にIT化という訳ではなく、これまで通りのやり方や考え方を大幅に変えていく必要があるのがDXです。

なぜ、今の時期にDXなのか

日本はITだけでなくいろんな分野でガラパゴス化した国だと言われています。

デジタルやDXについても然り。

ここ最近ようやくデジタル庁が発足されDXに本腰を入れ始めましたが、ずいぶん遅いスタートで世界的に遅れをとっているように思います。

デジタル庁で使用しているサーバはAmazonのAWSというサーバを使用していたり、国益のために取り組んでいるDXですがなんともチグハグなことが起きていたりします。

まだまだ何のためにやっているのか?という目的がブレているようですが、前に進もうとしている事自体はとても大きな意味がありますし今後に期待したいところです。

一方、企業は国よりも前に進んでいなければいけないと思っています。

なぜならば国よりも身軽でスピーディーに動けるからです。

よって国の動きより遅れている企業はかなり遅れをとっていると実感した方が良いのではないでしょうか。

このコロナ禍でニューノーマルなライフスタイルやワークスタイルが確立しつつあり、このタイミングでDXを進めていかなければ、企業に従事する社員やスタッフに愛想を尽かされることは目に見えています。

人は金なり。

IT化やDXというテクノロジーも大切ですが、人材の方がもっと重要です。

DXの流れに乗り切れない企業は結果として人材を失ったり獲得しずらい状況になると予想します。

業務改善がDXの第一歩

一番最初に取り組まなければならないのが業務のDXです。

これまで紙で作成していた契約書を電子契約書に置き換えたり、カルテなど紙で管理していたものをデジタル化したり、当たり前のようでできていなかったIT化があると思います。

DXが進まない理由の一つとしてして「そもそもデジタル化が良く分かっていない」というのもありますが、「自社では難しい」と思い込んでいるケースが多いです。

革新的なことにはえてして「いやいやそれは無理だろう。」とバイアスがかかってしまいます。

ただそれも最初だけです。

例えばアップルが初めてiMacを発売した時はフロッピーディスクをパソコンから取り除き発表しました。この時には賛否ありましたが今やCDスロットまでもが取り除かれています。

アップル社にとってはクラウドでのデータ管理というものがすでに見えていたのです。

変革させるには違和感が感じるものです。

ですが未来を予測し改革をしていくにはこの違和感と向き合うことが大切です。

そしてその違和感を当たり前にしていく作業をしなければ、いずれ今の業務自体に違和感を感じるようになります。

まずは、できないだろうと思っていることを前衛的に取り組んでいくことが、DXの第一歩だと考えます。

ツールの導入はあくまでも守りのDXと理解する

DXは「守りのDX」と「攻めのDX」があります。

業務改善やフローの構築など社内的なDXは守りのDX。

サービスを根本的に考え直しシステマチックにビジネスを構築をするDXは攻めのDXとなります。

まずは守りのDXとして業務改善やクラウドなどのツールを活用し運用が安定してきたら攻めのDXへとステージを進めていきます。

つまり、守りのDXとしてツールを導入しただけで満足することなく、攻めのDXのビジネスそのものを再構築することをゴールとして目標を立て、トータルでビジョンを描くことが大切です。

まずは業務分掌から始める

ツールを導入するにはまずどのような業務があるのか業務分掌を行います。

部署を跨いでバラバラなツールを使っている企業も少なくありません。

オフィス365を使っている部署もあれば、Google Workspaceを使っている部署もあったりします。

必ずしもツールを統一する必要はありませんが、ナレッジを共有するためにも合わせた方が良いでしょう。

また社内間のコラボレーションに支障をきたす場合は課題を抽出し解決するためにツールを精査します。

いずれにしても業務や仕事内容などを各部署でヒアリングを行い業務分掌を行います。

その後、企業全体を見て何が必要で何が不要かを選別しツールを決定していきます。またツールのみならず過剰な業務な不要業務、ミスの多い業務など洗い出し業務そのものを見直し改善していきます。

どんなツールを導入するか検討

クラウドツールは実に多く存在し、どんどん新しいサービスも生まれています。機能面だけでなく自社の属性に合わせてツールを選ぶことが大切です。

以下、どのようなツールがあるか参考までにピックアップしていますので参考にしてみてください。

共通業務

共通業務ではコラボレーションツールとして、業務を円滑に進行させるタスク共有、プロジェクト管理、ウェブ会議、文書管理、データ共有、ナレッジ共有、タスク管理、チャットツール、SNS、ワークフロー、電子契約、名刺管理、スケジュール共有、ウイルス対策などを必要とします。

(例)

Trello、Redmine、Backlog、Jooto、Jira、Asana、Dropbox、Google Drive、One Drive、Box など

経営、マーケティング、営業

経営やマーケティング、営業では顧客管理システムや名刺管理、などが必要です。

(例)
Salesforce、Sales Cloud、kintone、Senses など

人事、総務部門

人事、総務部では採用管理やプロジェクト管理、グループウェア、名刺管理など必要となってきます。

(例)
Salesforce、Kintone、SanSan、WordPress、SATORI、b→dash、HRMOS採用、採用一括かんりくん、MOCHICA など

経理部門

経理は主に会計ソフトや経費精算などのシステムが必要となってきます。

(例)
freee、マネーフォワードクラウド会計、勘定奉行クラウド、弥生会計オンライン、経費精算システム:マネーフォワードクラウド経費、ジョブカン経費精算、jinjer経費、楽楽精算 など

DXと業務改善のまとめ

DXという言葉だけが一人歩きしているようですが、目的を明確にしフローを細分化して考えれば難しいことはありません。

まずは思い切ってやってみることが大事です。

DXツール導入の注意点としては、大手企業だと使えるクラウドサービスがかなり限定されるケースが多く、そもそもクラウドサービスがNGの企業もわずかですが存在します。

あらかじめホワイトリスト(導入可能なツール)とブラックリスト(セキュリティー上導入不可なツール)を作成しておくことでスムーズに進むでしょう。

DXにより業務が改善されれば人材の配置転換などで別業務にリソースを振ることも可能です。

長期的に見ればコスト削減につながります。

ぜひ御社の未来のためにもDXをおすすめします。

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